
今回は、イージングの基本について紹介したいと思います。
前提として、イージング(トラックバー版)の導入が必要になります。
→AviUtlで必須のスクリプト、イージング(トラックバー版)
イージングとは

AviUtlで使われるイージングとは、移動方法のひとつです。
主にパラメータの移動方法でイージングを指定し、上のグラフにある番号を設定することで、動きに緩急をつけることができます。
全部で41種類ありますが、ここでは基本的なグラフを見ていきたいと思います。
linear

まずは基本中の基本、linear。AviUtlでは直線移動と呼ばれています。
等加速で移動し、常に一定の動きをします。
グラフでは始点から終点まで一直線で描かれます。
イージングでの設定番号は1番です。

一定の速度で移動するため、メリハリがなく機械的な動きに感じられます。
イージングを覚えた後では、段々と使う機会が無くなってくるかもしれません。
じんわり拡大する、じんわり座標を移動させる、透明度を移動させる場合に使います。
ease-out

続いて、ease-out。高頻度で使用しています。
linearと比べると、動き出しが早く、その分終点付近で減速します。
上に向かって膨らんだような形のグラフになります。
イージングでの設定番号は3,7,11,15などで、カーブが急になるほど動きがきつくなります。

ease-outでは、終わり際のゆるやかな変化がメリハリとなって心地よい動きを作り出します。
オブジェクトの座標の移動から、拡大率、クリッピングなどさまざまなパラメータの移動方法として使っています。
ease-in

ease-in。使用頻度はそれほど高くありません。
ease-outの反対で、動き出しがゆっくりなのが特徴です。
下に凹んだようなグラフになり、2,6,10,14といった番号になります。
こちらもカーブが急になるほど動きがきつくなります。

ease-inがあまり使われない理由が、終点でのぶつ切り感です。
動いている物体が何の反動も余韻もなく急停止するのが、動きとして不自然に感じてしまいます。
後述するease-in-outの動きを作るために、オブジェクトの動きをease-inとease-outに分けるといったときに使っています。
ease-in-out

最後にease-in-outです。ゆっくりと動き出し、中盤に速度を上げ、終点付近で減速していきます。自動車の動きを思い浮かべるとわかりやすいかもしれませんね。
ease-inとease-outをくっつけたようなグラフです。4,8,12,16といった番号です。

ease-in-outもease-outと同じように終点に向かって減速するので、使い勝手が良いです。
カウンターのカウントアップや扇クリッピングなど、徐々にスピードアップしていき、終点付近で減速するときによく使います。
比較

それぞれを同時に動かして比較してみると、思った以上に違いがありますね。
イージング(トラックバー版)を利用することで、直線移動だけだった動きにメリハリをつけることができます。
使用例


ease-outを使ったシーンチェンジ。
スピード感を演出する、放射ブラーの使い方
フレームバッファを使った、画面に動きを出す方法

フレームバッファの拡大率をイージングの7番に設定しています。
色収差や放射ブラーも同じようにイージングの7番です。
イージングを使う場合は、それぞれのパラメータの移動を同じイージングの番号にすることがポイントです。

クリッピング、拡大率と回転、キャラクターやテキストの座標移動など全てイージングを用いた移動です。また、そのほとんどがease-outのグラフになっています。
動画編集テクニック、動きを繋げる
いかがだったでしょうか。
まずは代表的なイージングのグラフを覚えて、オブジェクトの移動などで使ってみてください。
イージングのあるなしで動画の出来も変わってくると思います。
是非、導入して試してみてください。