AviUtl、割れたガラスを表現する

今回は、ティムさんのひび割れガラススクリプトを使った割れたガラス表現を試してみたので紹介したいと思います。

【AviUtl】 ひび割れガラススクリプト(ニコニコ動画)
ダウンロードページ(ティムの部屋)

ひび割れガラスT

まずは下準備から。元画像です。

別途割れたガラス素材を用意します。

「broken glass」、「cracked glass」、「割れたガラス フリー素材」などで検索すると出てくると思います。

ちなみに、今回の割れたガラス素材はpexles.comのものを使用しています。

Layer 1に割れたガラス素材を、Layer 2に元画像を置きます。

割れたガラス素材は元画像より上のレイヤーに置くのがポイントです。

元画像にひび割れガラスTをかけます。

デフォルトです。割れたガラスの各パーツごとに元画像がずれて表示されている感じですね。

設定

元画像にひび割れガラスTをかけたけど、白っぽくなるだけで上手くいかない場合。

パラメータ設定にガラス画像という項目があります。割れたガラス素材を置いたレイヤーの指定をするものですが、デフォルトで1になっています。

もしLayer 1以外に割れたガラス素材を置いている場合は、そのレイヤー番号をガラス画像の欄に入力します。

準備ができたところでひび割れガラスTの設定を見ていきます。

右下にあるマップ表示にチェックを入れると、割れたガラス素材の各パーツが着色されます。同じ色の部分は同じように動きます。

しきい値を小さくしたり大きくすることで調節することができます。

しきい値を大きく取ると色数が減って動くパーツが少なくなります。

ずれでは各パーツの移動量を設定します。大きくするほどずれが大きくなります。

ずれ100。かなり割れている感が出ますね。

ぼかしはそのままぼかしの設定です。全体に対してであり、部分的にぼかすことはできません。

ガラス強度では割れたガラス素材の境界部分の明るさを調節することができます。プラス値で明るくなり、マイナス値で暗くなります。

ガラス強度を0にすると割れたガラス素材が見えなくなります。

ガラス強度250。

パラメータ設定のパターンでずれのパターンを変えることができます。シード値のようにいろいろ変えてお好みのパターンを探します。

ひと手間の工夫

隙間を埋める

元画像のサイズが動画サイズとぴったり同じだと、ずれによって隙間が生じます。

これを避けるためには、動画サイズよりもちょっと大き目の元画像を使用すると良いと思います。

別の方法として、フレームバッファを出してこちらにひび割れガラスTをかけるのも隙間を回避して目立たなくすることができます。

割れたガラス素材の加工

一方、割れたガラス素材は画像編集ソフト等で前もって作る動画サイズに合わせておくと扱いやすいかと思います。

ひび割れガラスTをかけた後は割れたガラス素材の拡大率や座標等は動かしても反映されません。そのため、大きな画像を縮小したり、座標や角度を調節したりするにはSceneを使うと良いです。

Sceneに割れたガラス素材を置いて、その中で拡大率や座標等を調節します。

Rootではシーンオブジェクトを出して割れたガラス素材の代わりにします。

この方法ならばSceneで拡大率や座標を調節する度にシーンオブジェクトに反映されます。

適さない素材

割れたガラス素材は、割れたガラスの各パーツ毎に動かすためそれぞれがはっきりと区分けされていなければなりません。

線が途切れていたり、画面端まで線が届いておらず区切られていない素材は思ったような効果が出ない可能性が高いです。

マップ表示にチェックを入れると上手く区切れていないのがわかると思います。

線が途切れている場合は画像編集ソフト等で線を繋げる加工が必要になります。

その他

ひび割れガラスTを使わないやり方もあります。

割れたガラス素材をもとに各パーツを自分で切り抜きます。例ではパーツは2~4くらいをワンセットにして合計6枚で構成されています。

マスク、上のオブジェクトでクリッピング、画像ファイル合成などを駆使します。

各パーツ別オブジェクトにすることで部分的にエフェクトをかけたりと自由度が高くなります。

ガラス表現に追加するエフェクトとしてはレンズブラーや色収差、円にさつきさんのランダム配置などが雰囲気に合っているんじゃないかと思います。

使用例

衝撃とともにガラス割れ表現。ひび割れガラスT使用。

ひび割れガラスTを使用した場合でも、別途フレームバッファにレンズブラーまたは色収差をかけて斜めクリッピングやマスクを使用することで部分的にブラーや色収差をかけた状態にすることができます。

ひび割れガラスTをかけたフレームバッファは一番下のレイヤーに置きます。

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いかがだったでしょうか。
差分画像を使ってみたりしても良さそうですね。ティムさんのひび割れガラスTを使った割れたガラス表現、機会があれば是非試してみてください。