AviUtl、素材をループさせたり軌道に沿って配置するストロークスクリプト

今回はティムさんのストロークスクリプトを試してみたので紹介したいと思います。ストロークスクリプトを使うと、鎖素材を繋げてループさせたり、アンカーを使って軌道上にオブジェクトを描画させたりすることができます。

【AviUtl】 ストローク スクリプト(ニコニコ動画)

ストローク(反復)

素材

まずはループ用の鎖素材を作ってみました。

ポイントはループするようにトリミングすることと、素材が横を向いていることです。

ストロークスクリプトでは右側が進行方向になるため、左右がある素材は右向きが良いと思います。また、ストロークスクリプトをかけると上下が逆さになるため、それも考慮しておくと良いですね。後述しますが、反転を使えば上下左右はなんとかなります。

アンカーとストローク(反復)

元画像にストローク用アンカーとストローク(反復)をかけます。

使い方としては任意の場所にアンカーを置き、進捗度を移動させることでオブジェクトをループして描画します。

ひとつのストローク用アンカーでは12個のアンカーを打つことができます。12個以上のアンカーを打ちたい場合はストローク用アンカーを追加でかけます。

繰返モード1では、配置したオブジェクトをクリッピングするような動きになります。

繰返モード2は先頭のオブジェクトに連なるようにオブジェクト自体が移動する動きになります。

繰返モード3は描画がランダムになります。

この記事では繰返モード2を使っていきます。

パラメータ設定

パラメータ設定を見ていきます。まずはアンカーを正方形に配置してみました。

パラメータ設定の環状軌道にチェックを入れると、最初と最後のアンカーを繋ぐように環状になります。

軌道[0-1]では0と1で微妙に異なる形になります。軌道1は環状軌道にチェックを入れたときに綺麗な正円を描くようになっています。

上の画像のように両端になんらかの付属するものがある素材で、真ん中の丸だけをループさせる場合、左右端残しの項目で調整することができます。

左端残し、右端残しで残しておきたい部分を調節します。クリッピングみたいな感じですね。

今度は道路素材。

幅変動[%]の項目でオブジェクトの幅を調節することができます。例のように{100,40,10}とすると、始点では100%、中間で40%、終点で10%となります。

ストローク(配置)

今度はウィンドウ素材を用意しました。

ストローク用アンカーとストローク(配置)をかけます。

アンカーはストローク(反復)のところと同じです。ストローク(配置)では進捗度を移動させてオブジェクトを描画します。

進捗度1は0から100へ移動させると、始点から終点に向かってオブジェクトを描画します。

進捗度2は0から100へ移動させると、始点から終点に向かって描画されているオブジェクトを消していきます。

区間個数ではアンカー間に描画するオブジェクトの個数を調節します。

ランダム性を大きくすることで角度等にランダム性を加えます。

パラメータ設定の位置ランダム性の項目でオブジェクトの位置にランダムでばらつきを加えます。

位置ランダム性はランダム性が0のときには反映されません。

重なり反転にチェックを入れると重なりの前後が反転します。

ランダム性や位置ランダム性でばらつきを出すと、ときに見切れが生じることがあります。

そんなときは領域拡大の欄で領域を広げると見切れが解消されます。

始点が下で終点が上のアンカー配置。

そのままだと左側のように右を向いた素材が縦に描画されますが、パラメータ設定の進行方向にチェックを入れるとアンカーから次のアンカーに向かってオブジェクトが進行方向を向くようになります。

ストローク(配置:変動)

ストローク(配置:変動)はストローク(配置)に追加でかけて使います。XY座標、サイズ、角度、透明度等を個別に調整することができます。

ちょっとしたポイント

反転

素材にストロークスクリプトをかけたら逆さになってしまった、左右逆にしたいといったときには素材に反転をかけます。

反転は基本効果の中にあります。

反転はストローク用アンカーやストローク(反復)、ストローク(配置)よりも上にかけます。

拡大率とリサイズ

編集の途中でオブジェクトの大きさを変える場合、拡大率とリサイズで挙動がちょっと変わります。

拡大率で縮小させた場合、アンカーの位置も動いてしまいます。

一方、リサイズで小さくした場合、アンカーの位置は動きません。リサイズは基本効果の中にあり、アンカーやストロークよりも上にかけます。

拡大率で小さくしている場合は、その後に拡大しても100までは綺麗なままですが、リサイズの場合は拡大するとぼやけてしまいます。状況に応じて使い分けてみてください。

使用例

ストロークスクリプトを使った演出例。

鎖素材をループさせて拘束するような演出に。アンカーを2にした直線状のオブジェクトを重ねてみました。

三角旗素材。アンカー3でたわんだような曲線状に。直線状の元オブジェクトがうまく曲線状に変形できています。

いかがだったでしょうか。
ストロークスクリプトの挙動を把握すればいろんな演出に応用できそうですね。どんな素材を使うのか、作るのかというのがポイントになってきそうです。

ストロークスクリプト、機会があれば是非試してみてください。