AviUtl、光の屈折やプリズム表現

今回は、ガラスに反射する光の屈折やプリズム表現を試してみたので紹介したいと思います。

使用したスクリプト

なごみくさんの値で図形(Cosense)
ティムさんの色収差(ニコニコ動画)
さつきさんの画像ループ2(BowlRoll)
SEEDさんのRadialWipe_s(GitHub) 右サイドバーのReleasesから
93さんのカスタムフレア(ニコニコ動画)

ディスプレイスメントマップ

元画像(テキスト)です。

フレームバッファを出してディスプレイスメントマップをかけます。

Sceneにてディスプレイスメントマップ用のマップを作成します。

ちょっと太めの線、長方形を作ります。今回はなごみくさんのカスタムオブジェクト、値で図形を利用しました。

xyサイズで調節します。

図形と領域が一致する方法なら四角形で縦横比をいじる方法でもOKです。背景に斜めクリッピングは図形と領域が一致しないので今回は利用を避けました。

グラデーションを追加します。角度90にして幅や中心で調節します。

ティムさんのモーションタイルTをかけます。出力幅%を大きくとって画面いっぱいに広げます。

図形の幅やグラデーションの幅、モーションタイルTの出力幅は作っている動画サイズによって変わってくるので、適宜調節してみてください。

Rootに戻り、最初の方にかけたディスプレイスメントの設定をします。

マップの種類をシーンから選択にし、マップを作ったSceneを指定します。元のサイズに合わせるにチェックを入れます。

変形方法を移動変形にし、変形Xでずれを調節します。

ガラスを置いて光の屈折によって像が大きく見えたり、小さく見えたり、ずれて見えたりといった表現ができますね。

ティムさんの色収差を加えると光の表現感が増すと思います。

ちょっと一工夫

Sceneで作ったディスプレイスメント用のマップを動かしてみました。

モーションタイルTの中心位置を動かしています。

こんな感じでガラス演出、プリズム演出ちっくな動画になります。

図形でマスク

元画像です。

Sceneでマスク用のマップを作成します。円を画像ループ2で並べました。

同じ画像を用意してオフスクリーン描画をかませてからマスクをかけます。こうすれば画像の拡大率をいじってもマスクの大きさは変わりません。(例では大きいサイズの画像を縮小して表示しています)

マスクの種類をシーンから選択にして、マスク用のマップを作ったSceneを指定します。

ぼかし0、サイズを今作っている動画サイズに合わせます。サイズ等は調整可能です。

また別の方法として、マップ用のSceneにアルファチャンネルをつけて呼び出し、同じ画像で上のオブジェクトでクリッピングします。あとは画像の拡大率で調節といった感じです。

SEEDさんのRadialWipe_sで扇形を組み合わせて作ったマップ。

ちょっと明るくしてみたり、色収差をかけてみたりで割れたガラス感が出ると思います。マスクを使った方法の場合、色調補正や色収差はオフスクリーンより上に置きます。

ガラスに映るのを別の画像にしてみても面白そうです。

オブジェクトを直接クリッピング

こんな感じ画像や動画はオブジェクトを直接クリッピングして作ります。

同じ画像に斜めクリッピングをかけて角度や中心で調節します。クリッピングした部分にぼかしをかけることが馴染ませるポイントです。

画像の座標を移動させて、最後に透明度を調節します。

もう一つ同じ画像を出し、同様に作ります。拡大率や座標などをずらすと良いかなと思います。

合わせるとこんな感じ。仕上げにティムさんの色収差をかけると最初の画像になります。

マスクでクリッピング

今度はマスクを使ってみます。画像にオフスクリーン描画をかけてマスクをかけます。

マスクの種類を選びます。ここでは六角形にしてみました。サイズを調節してマスクをぼかします。

円形配置をかけます。パラメータ設定から数を設定し、半径や回転で調節します。

こんな感じ。ちょっと怖いですね。

応用と使用例

光の演出だけあってカスタムフレアとの相性がばっちりです。

ティムさん、93さんのカスタムフレアで自作しても良いですし、レンズフレア(Lens flares)、オプティカルフレア(Optical flares)などのキーワードでフリー素材も見つかると思います。

上から乗っけて質感アップです。

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光感が出ると思います。

これらの編集を一度にやると重くなるので、場合によってはプリズム加工したものを一旦aviで書き出してからカスタムフレアで光を足すといった編集も考えておくと良いと思います。

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いかがだったでしょうか。
クリッピングやマスクをかけた同一オブジェクトを拡大率等で違いをつける編集はモーショングラフィクスや通常の映像でも役立つと思います。

プリズム表現、機会があれば是非試してみてください。