
今回は、出力時における動画サイズの変更について紹介したいと思います。
本体1.10、拡張編集0.92の環境です。
新規プロジェクトの作成

これから動画を作るとなったとき、最初にするのが画像サイズの指定ですね。ここで作る動画のサイズを決めることができます。
拡張編集上で右クリック>新規プロジェクトの作成で画像サイズを指定します。
この場合、中に入れる素材のサイズにかかわらず入れ物である箱の大きさが決定します。

こちらは拡張編集に直接動画または画像の素材をドラッグ&ドロップした場合です。
読み込むファイルに合わせるにチェックが入っており、中に入れようとしている素材の大きさがそのまま入れ物である箱の大きさになります。
まずはこの段階で一度動画サイズを決めることができます。
サイズの変更

次に、編集を始めた後に動画サイズを変更したいと思った場合です。
表示>ツールウィンドウの表示をクリックします。

ツールウィンドウが表示されます。

サイズの変更から指定サイズをクリック。

サイズの指定ウィンドウが開き、XYのサイズを指定することができます。

元の動画サイズ1280×720です。

サイズの変更で半分の640×360に設定してみました。
メインウィンドウの上部を見てください。
1280x720_30fps_44100Hz.exedit (640,360)と表示されていますね。
1280×720は新規プロジェクトの作成で指定した画像サイズです。おしりの(640,360)がサイズの変更によって指定された出力時のサイズになります。
もうひとつポイントとして、サイズを小さくしたら画像が大きくなっていますよね。

1280×720の入れ物を640×360と半分にしたけれど、中の素材の大きさは変わっていないので大きく見えています。

先ほどはアスペクト比(横と縦のサイズの比率)が同じものに変更しましたが、1280×720を500×500のようにアスペクト比が16:9から1:1への変更も問題なく行えます。

設定>フィルタ順序の設定>ビデオフィルタ順序の設定をクリックします。

サイズの変更の位置を確認してみてください。自身でいじっていなければサイズの変更は拡張編集よりも上にあると思います。
このサイズの変更が拡張編集よりも上にあるのがポイントです。
サイズの変更が上手くいかない場合は、フィルタの順序を確認してみてください。
最大画像サイズ

サイズの変更を利用して、YouTubeのショート動画のような縦長の動画を作るなんてこともあるかもしれません。

ファイル>環境設定>システムの設定から最大画像サイズを確認します。
最大画像サイズの幅と高さを超えてサイズの変更はできません。
デフォルトだと幅が1920、高さが1080となっているので、サイズの変更で1080×1920にする場合は最大画像サイズをある程度大きめに設定しておくと良いと思います。
リサイズ設定の解像度リストの欄では、あらかじめ動画サイズを追加しておくことで一覧から選択することができます。

このようにサイズ変更のリストが表示されます。
アスペクト比を保ったまま縮小

続いては、中の素材にも影響するサイズの変更を見てみます。
先程と同じ手順でフィルタの順序ウィンドウを出します。サイズの変更を拡張編集の下に移動させます。

サイズ変更で640×360にしてみました。

先程とは違い、入れ物の大きさに合わせて中の素材もサイズ変更の影響を受けていますね。

中の素材にも影響があるということで、元のアスペクト比と異なる比の大きさに変更すると縦に伸びたり、横に伸びたりしてしまいます。
こちらのサイズ変更は主に、1980×1080を1280×720に、1280×720を640x360にのようにアスペクト比を保ちつつ縮小する場合に利用することが多いと思います。
フィルタ順序に於いてサイズの変更が拡張編集より上にあるか、下にあるかによって挙動が変わってくるというのが重要なポイントですね。
プラグインの利用

リサイズ用のプラグインもあります。
こちらはLanczos 3-lobed 拡大縮小ですが、リサイズフィルタというものもあります。
→Lanczos 3-lobed 拡大縮小(まるも製作所)
→AviUtl用リサイズプラグイン(Vector)

フィルタの順序で拡張編集を挟むようにそれぞれ上下に配置することで、入れ物だけのサイズを変える場合はサイズの変更を、アスペクト比を保ちつつ縮小する場合はプラグインを利用するようにしています。
これでその都度フィルタ順序でサイズの変更を移動せずに済みます。
動画の一部を削るクリッピング&リサイズ

素材の縦横のサイズが奇数だった。
mp4で出力する場合、動画サイズが奇数(特に横)だとエラーを起こすことがあります。素材を入れて動画を作り始めたけどよく見たら奇数だった場合に、偶数で出力したい。

ツールウィンドウからクリッピング&リサイズの設定を開きます。

上下左右から不要だと思う部分をクリッピングします。

メインウィンドウの上部でサイズを確認。

クリッピング&リサイズもフィルタの順序によって挙動が変わります。
拡張編集より上にある場合を見てみます。


下を300にすると、上下に150ずつクリッピングされます。上と下、左と右がそれぞれ連動しています。

クリッピング&リサイズを拡張編集より下に置いた場合。

こちらは下だけが300クリッピングされています。こちらの方が感覚的にクリッピングのイメージですかね。
終わったら設定はオフにする

各種フィルタはオンにした後、自分でオフにしないと以降のプロジェクトファイルでもオンのままです。そのため、意図しないフィルタがかかってしまいます。

編集が終わったら各種フィルタをオフにして終了すると意図しない変更を回避できます。新しいプロジェクトファイルを作成した際に、すべてがオフになっているか確認するのも大事ですね。
いかがだったでしょうか。
プロジェクトを始めたばかりなら新規プロジェクトの作り直しが望ましいかと思いますが、既に進行している場合には応急処置的にサイズの変更もありうるかと思います。
個人的にはPNG出力で編集上のフレームを画像にするときにリサイズしたりします。
動画サイズの変更、機会があれば是非参考にしてみてください。