AviUtl、アルファチャンネルを活用した動画編集

2019年5月9日

今回は、AviUtlでの動画編集に於けるアルファチャンネルの扱いについて紹介したいと思います。アルファチャンネルは画像や動画の一部が透過されている状態です。他のオブジェクトと合成する際によく利用されます。

切り抜き画像

元画像です。切り抜きと呼ばれる画像の一部だけを残し、その他の部分を除去します。この切り抜き作業は主にPhotoshopやGIMPなどの画像編集ソフトで行います。

切り抜いた画像がこちら。AviUtlに透過素材を読み込ませると、透過部分は真っ黒になって表示されます。

背景やテキストと合成することで様々なデザインが可能になります。

現在フレームをアルファ付きでPNG保存

切り抜き素材とともにAviUtl上で編集をしたものを、透過された素材として保存したいときはPNG出力というプラグインが便利です。

Auls PNG出力

先程、透過された部分は真っ黒に表示されると言いましたが、反対に真っ黒なら透過されるということはありません。黒背景にしてアルファPNG出力しても、そのオブジェクトは透過されていないのでご注意を。

アルファチャンネル付きで出力する

アルファチャンネルつきの動画を出力する場合は、ファイル>プラグイン出力>拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)から行います。

ビデオ圧縮から圧縮プログラムが選択できます。おすすめはUtVideo RGBA VCMです。Ut Video Codec Suiteを別途導入する必要があります。こちらが使えない場合は通常のRGBA(32bit)を選択してください。

或るプログラマの一生 Ut Video Codec Suite

RGBA出力で音声も出力する場合、あわせてwav出力ができます。動画ファイルと音声ファイルは別々に出力されます。

アルファチャンネルつきの動画の読み込み

RGBA出力された動画はそのままだと透過されるべき部分が真っ黒な状態です。アルファチャンネルを読み込むにチェックを入れることでアルファ部分が透過されます。

アルファチャンネルを読み込むにチェックを入れても透過されない場合は、残念ながら出力時の設定でアルファ付きにできていなかった可能性大です。

Sceneでアルファチャンネルあり

Sceneを使った編集では、シーンにアルファチャンネルを付けることができます。上の画像のように人物とテキストを合わせた素材を作り、背景には何も置かないでおきます。シーンの設定からアルファチャンネルありにチェックを入れてRootまたは他のSceneへ移動します。

拡張編集上を右クリック>メディアオブジェクトの追加>シーンから呼び出したいSceneを選択します。

透過素材を使って背景だけを変化させる動画の完成です。Sceneを利用することで、その都度aviファイルにする必要がないのでとても便利です。また、Sceneでの修正は呼び出したシーンオブジェクトにすぐに反映されます。

クロマキーでGB等の背景を透過

背景が単色の画像や動画は、クロマキーを使うことで背景を透過させることができます。

元からアルファチャンネルが付いているpngやaviファイルでは使う機会は少ないと思いますが、素材がmp4しかないという場合、このように背景を一色にして後からクロマキーで抜くことになります。特に動画は毎フレーム切り抜くのはしんどいですからね。

キー色の取得を押して、透過させたい色をメインウィドウから取ります。

アルファチャンネルに関するあれこれ

動画ファイルのアルファチャンネルを読み込むにチェックを入れるとエラーが出るときがあるようです。入力プラグインの優先度を上下することで回避できるようなので、参考までに入力プラグインの優先度設定を乗せておきます。

  • mp4にアルファチャンネルを付けることはできません
  • 音声が同梱された形では出力できません
  • その部分(背景等)が真っ黒でも、オブジェクトがあれば透過されません
  • 本来透過されるべき部分が真っ黒なままのときは出力に失敗している可能性があります

いかがだったでしょうか。
透過素材を上手く扱えるようになると、編集の幅も広がります。場面に合った方法でアルファチャンネルをつけてみてください。

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