
今回は、低フレームレート素材を使ってあえて滑らかではない動きを作ってみたので紹介したいと思います。
フレームレート

フレームレートとは1秒間に表示するフレームの数です。
24fps(frames per second)では1秒間に24フレーム表示します。

1秒間に12フレーム表示させるなら12fpsになります。

1秒間に8フレーム表示で8fpsです。
このように各フレームに異なる画を表示させるならフレームレートが高くなるほど細かく滑らかな動きにすることができます。
コマ打ち

12fpsの低フレームレートの素材を24fpsの箱の中に入れるとどうなるか。
12枚の画で24フレームを埋めなければならないのですが、12枚分足りません。
足りない分は前のフレームを複製して自動で嵩増しされます。

1,1,2,2,3,3,…のように同じ画が2フレーム連続することで、24フレームの中を12枚の画で埋めます。
これがいわゆる2コマ打ちと同じ状態ですね。
あえて低フレームレートで素材を作り、高フレームレートの動画の中に入れることでカクカクっとした動きを作ることができるというわけです。

3コマ打ちならば8fpsで素材を作ります。
実際に比べてみると毎フレーム動きがある24fpsは滑らかですね。
一方、12fpsや8fpsはカクカクっとした動きになり、動画編集の中で使うことで一味違った印象を与えることができます。
素材を作る

コマ打ちの素材を作るにはまず元となる動画のフレームレートを決めます。

次に素材動画のフレームレートを決めます。
24fpsの場合12fpsで2コマ打ち、8fpsで3コマ打ちです。
元となる動画が30fpsなら15fpsの素材で2コマ打ち、10fpsの素材で3コマ打ちになります。
AviUtlでは新規プロジェクトの作成時にフレームレートを設定することができます。
12fpsでテキストモーションを作ってみました。一旦動画素材として書き出します。
元となる24fpsの動画でこんな背景動画を作りました。ここに先ほどの12fpsで素材化したモーションを合成してみます。
背景はフルアニメーション、テキストは2コマ打ちと異なるfpsの動きを組み合わせることができます。
このシーンは2コマ打ちにしたいという場合は、前もって低フレームレートで素材を作るという準備が大事になってきますね。
既存の動画を素材化
動画編集していると自分で作ったものではない素材を扱うこともあると思います。
自分で動画を作っていても、回想シーンのように同じ動画(編集)を使いまわしたり、昔の動画の一部を素材として使いたいような場合に、最初から低フレームレートで作り直すというのは大変です。
そこで既存の動画を低フレームレートに素材化して、再び高フレームレートに入れてみます。

24fpsの動画を12fpsで新規作成した動画の中に入れて書き出します。
書き出した12fpsの動画を24fpsの動画に入れることで2コマ打ちの状態になります。
その他、いろんなフレームレートの動画も12fps化して24fpsの動画に入れれば2コマ打ち状態にできます。
ここでのポイントは12fpsで素材化した際に特定のフレームが落ちるということです。極端な話、偶数フレームだけ表示される点滅のようなエフェクトはなかったことにされる可能性も。この点は理解しておきたいところですね。


時間制御のコマ落ちも同様です。
2コマ落ちなら偶数フレームを落として奇数フレームを表示します。
時間制御は現在編集している中で素材として書き出すことなく2コマ打ち状態にしたい場合に向いています。書き出した動画と違って修正が容易にできるというのも大きなメリットですね。
24fpsで作ったワンシーン。このシーンを2コマ打ちのようにカクカクさせたい。

本来の24fpsの動画では連続した5フレーム。

時間制御で2コマ落ちにする、または12fpsで素材化すると偶数フレームが落ちて奇数フレームだけが表示されます。
1,1,3,3,5,5,…といった感じですね。
比べてみると、それぞれで印象が違いますね。
フルアニメーションで滑らかな動きにするのも良し、2コマ落ち、3コマ落ちでフレームレートを落としアニメっぽい雰囲気を出すも良しです。
繰り返しになりますが、コマ落ちの場合は欠落するフレームに注意したいところです。
その他

自分で描いたイラストでアニメーションを作る場合など、連番の画像を並べるなら動画ファイルを出して、参照ファイルから連番画像を指定すると楽です。
再生速度を50にすれば2コマ打ちになります。33.3で3コマ打ち。

最終的には手付けのモーションなんかも方法のひとつです。
2フレーム毎に中間点を打ってそれぞれパラメータの値を瞬間移動で動かします。手間がかかりますが、その分いろんな動きに対応できます。
このテキストモーションも一文字ずつ手付けのモーションになっています。2コマ打ちです。
いかがだったでしょうか。
アニメっぽい雰囲気を出すためにあえて滑らかな動きではなく2コマ打ち、3コマ打ちでフレームレートを落とした動きにしてみる。
低フレームレート素材や時間制御を使った方法、機会があれば是非試してみてください。