AviUtl、マスクを使ったテキストの登場

今回は、マスクを使ったテキストモーションを作ってみたので紹介したいと思います。

Sceneでマスク素材を作る

まずはScene内でマスクの素材を作ります。

テキストを出します。色は白です。

テキストのサイズを大きくします。サイズはできるだけ大きい方が良いですが、大きくするほど負荷が高くなるので、ある程度のところで良しとします。

Mr-OjiiさんのAutoClipping_Mをかけるとテキストの余分な領域をカットしたり、余白を調節したりできるのでかけておくと良いと思います。なくても大丈夫です。

メディアオブジェクトの基本効果から拡大率と座標を出します。拡大率を大きくとり、座標を調節してテキストの白い部分が画面全体を覆うようにします。

拡大率はトラックバーだと800までですが、数値の部分を右にドラッグしたり、直接入力することで5000まで上げることができます。

中間点を打ち、座標は開始位置から0に戻るように、拡大率は開始位置から目指すテキストの大きさになるまでへと移動させます。

イージングで緩急を付けるとより良いモーションになります。

こんな感じで、画面を覆った状態からテキストが登場します。

今回は拡大率と座標を使用しましたが、カメラ制御を使っても良いですね。

これでマスク素材が完成しました。ポイントは黒背景に白テキスト、画面全体を覆った状態から登場といったところですね。

マスクをかけて切り抜き窓のように

Rootに戻ったら、背景(図形)を出します。

背景(図形)にマスクをかけます。マスクの種類を(シーンから選択)にし、先ほど作ったSceneを指定します。

サイズは現在作っている動画のサイズに合わせます。ここでは500×500の動画なのでサイズを500にしています。

マスクの反転にチェックを入れることで、テキストの白い部分が切り抜かれます。

こんな感じで、切り抜き窓のようなものができます。見やすいように背景(図形)の色を黒にしています。

マスクをかけた背景(図形)の後ろに画像や動画を置けば、画面の外から中抜きのタイトルが登場する動きになります。

回転を加えて登場を工夫したりしても良いですね。

拡大時の粗を見せない工夫

透明度

このモーションを作る際の一番の敵は、拡大することによってテキストがガビガビになることです。場合によってはサイズを大きくして拡大率を大きくしても画面全体を覆うに至らないこともあるかと思います。

そんなときでも手当をすれば十分使えるようになるので、無理してサイズや拡大率を上げなくても大丈夫です。

透明度を使ってフェードインさせます。これによって自然に動きに入っていくことができます。

イージングを変える

easeOutの動きを大きくすれば最初のフレームが画面全体を覆っていなくても不自然になりません。動きで調節可能です。

極端な例だとこんな感じでギュンっと。

放射ブラー

放射ブラーをかけることで最初のフレームをぼかします。ついでにスピード感も出せて一石二鳥です。

これらの対策でテキストが画面全体を覆えなくても同じようにテキストモーションを作ることができると思います。

応用と使用例

応用としては動きを逆にしたパターンもあります。テキストを見せてからの後ろの画像・動画が見えるといった動きです。

後ろの画像・動画とマスクをかけた背景の間に一枚別の背景を置き、透明度でフェードアウトさせることで一番後ろの画像・動画が見えるようになっています。

タイトルの登場にぴったりのモーション。

いかがだったでしょうか。
マスクを使うことでテキストの形に切り抜いた背景を作り出し、そこから中を覗くようなモーションを作ることができます。機会があれば是非試してみてください。