今回は、AviUtlのスクリプトの追加とその管理について紹介します。スクリプトを新しく入れたけど動かない、ちょっと前まで普通に動いていたのになぜか動かないといったトラブルへの対策としても役に立つと思います。
目次
スクリプトを追加する
AviUtlは本体と拡張編集だけでなく、新たにスクリプトを追加することでできることを増やせます。スクリプトは有志の方々が作成してくださり、ニコニコ動画やTwitterなどで公開されています。
追加するスクリプトはscriptフォルダに入れますが、デフォルトではscriptフォルダは存在しないため新規作成します。scriptの綴りは間違えやすいので要注意です。
追加したスクリプトはアニメーション効果としてかけることができます。scriptフォルダに直接.anmファイル等を入れた場合、アニメーション効果の左下にある窓にずらっとスクリプト名が並びます。
最初の頃はいいのですが、どんどんスクリプトを追加していくと目指すスクリプトがどこにあるのかわからなくなってきます。
フォルダ分け
そんなときは、scriptフォルダの中にさらにフォルダを作成して管理することができます。スクリプトを作ってくださった作者別などにすると管理しやすいのではないでしょうか。
また、AviUtlが認識できるのはscriptフォルダ>作者別フォルダまでです。作者別フォルダの中に更にフォルダを作成してもそちらは読み込まれないので注意が必要です。
scriptフォルダの中に作成した任意のフォルダに.anmファイル等を入れると、アニメーション効果に小さな窓が追加され、そのフォルダにあるスクリプトだけが表示されるようになります。
フォルダ分けするだけで随分管理がしやすくなりますね。
並び替え管理プラグイン
rikkyさんのスクリプト並び替え管理プラグインというものがあります。このプラグインでは、各スクリプトの表示/非表示を簡単に切り替えることができます。
スクリプトを削除したくはないけど、かといって滅多に使わないので非表示にしたい!なんてときに有効です。
→[Aviutl]スクリプト並び替え管理プラグインver2
ちょっといじりすぎて何が何だか分からなくなった場合は、script_sort.listというファイルを削除することで初期化することができます。
スクリプトの編集
上級者向けですが、.anmや.objのファイルはメモ帳などのテキストエディタで開くと中身を見ることができます。ここでは例に白水さんの角丸四角形を見てみます。
Xサイズの値が書かれていますね。これは左から順に最小値、最大値、初期値を表しています。この数値を書き換えることでスクリプトに変更を加えることができます。
最大値が1000となっていますが、1280×720や1920×1080で動画を作っていると横幅が1000では足りないなんてことがあります。最大値の1000を書き換えることで必要な値にすることができます。
同じ設定を何度も繰り返して使うような場合は、デフォルト値を書き換えると数値を入力する手間が省けますね。
ただし、スクリプトの編集は一文字違うだけで動かなくなってしまうので、編集前には必ずバックアップを取っておきましょう。
外部から導入したスクリプトをメモ帳で保存すると、AviUtlで文字化けすることがあります。その際は、文字コードをANSIにしてから保存してください。
保存後ファイルの拡張子が.txtになっている場合は、.anmや.objなどにリネームします。
スクリプトをかける順番
スクリプトの中にはその順番が重要なものがあります。GetColorのDraw(Mein)は、それ以降にかけられたアニメーション効果は適用されません。その効果を適用するにはDraw(Mein)よりも上に移動させる必要があります。
複数スクリプトを併用していて、効果が適用されていないなと思ったらまずは順番を変えてみます。どうしてもそのスクリプトの後に適用したいときは別の方法を考えるしかありません。
トラブル回避のために
AviUtlでのスクリプトの追加ですが、追加したスクリプトが”動かない”という声をよく耳にします。スクリプトを作成している方は動くことを確認して公開されているはずなので、それが上手く動かない場合は自分の環境に問題があるのかも?と疑うことが大事です。
解凍エラー
まずはダウンロードしたファイルがちゃんと解凍されているか。稀にですが解凍ソフトのエラーでzipファイルが正しくすべてを展開できていないことがあります。おかしいなと思ったらログを確認してみましょう。
同じファイルが複数
すでに導入されているスクリプトがひょんなことから複数存在することがあります。
最初はscriptフォルダに入れていたけど、フォルダ分けしているうちに複数存在してしまうことになった。
ダウンロードしたzipファイルをscriptフォルダ内で解凍することで、コピーしたファイルと元ファイルがscriptフォルダ内に存在してしまった。
scriptフォルダ内にバックアップ用のフォルダを作った結果、複数存在することになったなど。
バックアップ用はAviUtlとは別に管理するなどして対応します。
readme.txtや概要欄の確認
readme.txtやダウンロードページの概要欄はしっかり確認しておきます。
スクリプトの中には、.anmファイルだけでなく.dllや.luaなどのファイルが必要になることもあります。多くは説明として「.anmと.dllは同じ場所に置いてください」のように書かれているので見落とさないようにしたいですね。
特にrikky_moduleは利用される頻度が高いです。使っている拡張編集のバージョンによって入れるファイルが違うので要注意です。0.92を使っている場合はrikkymodule&memoryを、0.93rc1を使っている場合はrikkymodule(version2)を入れます。
exedit.aufの場所
scriptフォルダはexedit.afuやlua51.dllと同じ場所にないと動きません。pluginsフォルダを作成してプラグインを管理する場合でもexedit.aufは動かさない方がいいです。
導入はひとつずつ
スクリプトを新たに導入する際は複数のスクリプトを一気に導入するのではなく、ひとつずつ導入して動作確認をした後に次のものを導入するとトラブルが減り、原因究明も早くなると思います。
まっさらな環境で検証してみる
スクリプトが動かなくなったときはまっさらな環境で検証してみてください。本体、拡張編集と検証したいスクリプトだけのように検証するスクリプトが動く最小限の構成で試してみます。
これで動けば現在の環境が原因ではないかと推測できます。これでも動かなければ他人に意見を聞いた方がいいということになります。
いかがだったでしょうか。AviUtlはスクリプトを追加することでより強力になっていくので、好みのスクリプトを追加して自分だけの使いやすい環境を作ってみてください。