動画編集で頭を悩ませることのひとつが、どんな演出にするかといったアイデアを生み出す作業ではないでしょうか。
動画編集したての頃は、「このエフェクトいいな」、「このシーンチェンジいいな」を無造作に詰め込んだ、謂わば行き当たりばったりな編集をしていたなと感じます。今では、曲と映像とエフェクトがそれぞれ関連性を持ち、どうしてそうなっているのかを説明できる、そんな動画を作りたいと考えるようになりました。
アイデアを生み出すための「考え方」を教えてくれるものは、独学で動画編集を勉強する者にとってとても貴重だと思います。今回は、そんな動画編集に役立つアイデア作りの参考になる書籍をいくつか紹介したいと思います。
センスは知識からはじまる
まず最初にお勧めするのは『センスは知識からはじまる』という本です。こちらは何といってもわかりやすいというのが一番です。
難しい専門用語や奇を衒った言い回しなどもなく、デザインやアイデアについて何にも知らない状態で読んでも内容を理解することができます。初学者が最初に読むのにぴったりな本です。
その内容は、センスは一握りの人が先天的に持つものではなく、後天的に獲得できるスキルであるということ。つまり、誰でもセンスを磨くことができるというもの。
知識を蓄えて最適化を図る。普通を知れば「良いもの」も「悪いもの」もわかる。
個人的には「〇〇っぽさ」を考えるきっかけになった本です。対象が対象たらしめんとするものは何なのか、それらしさを考え学ぶことで、演出に活かせるようにしていきたいと思ったものです。
表現の技術
こちらはより技術的な本で、動画編集における表現のテクニックを教えてくれます。実際にCMや広告を作るときにこんな風に考えているんだよ、こんなテクニックでより魅力的になるんだよと例を挙げて説明してくれるので、実践的ですぐにでも取り入れることができます。
物語を説明しない。
「緊張してきた」と言うよりも、まだ吸い終わっていないのに新しい煙草に火をつける。「淋しい」と言うよりも、「今度いつ会える」と言う。この本を読んで豊かな表現とは何なのか少しわかった気がします。
クリエイターになるなら是非とも身に付けたいテクニックが満載で、アイデアに行き詰った時に読み返したい一冊です。
デザイン入門教室
アイデアを生み出し、表現のテクニックを活用するためにも知っておきたい知識があります。それがデザインの知識です。カラー、レイアウト、余白、書体、整列など見た目を整えるだけでなく表現に意味を持たせてくれます。
「センスは知識からはじまる」でいうところの蓄積すべき知識ですね。たとえば色の相性や色の持つ意味を知っているだけで表現に説得力が増します。これ一冊をしっかりと読めば必要なデザインの基礎知識が身に付くと思います。
アイデアのつくり方
アイデアと言えばこの本!として必ず紹介されている一冊。著者の内容自体はおよそ62ページでとても薄い本です。それゆえにすぐ読める、簡単に読めると思いがちですが、アイデアについて一度も考えたことのない人が読むには少し難しい本です。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ。
情報を収集して、新しい組み合わせを発見する。この考え方に気づかせてくれる、ただそれだけでこの一冊の価値が最大限になったものと思います。アイデア作りの原点を知るためにも一度は読んでおきたい本ですね。
デザインってなんだろ?
デザインの歴史書的一冊です。
ストライプはかつてどんな意味で用いられていたのか、どんな時代に流行ったのか、まるで世界史の本のようにデザインにまつわる歴史を繙きます。知的好奇心がとても刺激されます。
ここまで詳しい知識はどこで使うんだと思いますが、芸術から科学までデザインに関する出来事は読み物として十分面白いものとなっています。
この本を手に取った人にしかわからないちょっとした仕掛けも魅力のひとつです。
いかがだったでしょうか。
全体を通して、アイデアは知識や技術として身に付けることができるものということがわかります。いろんな知識を蓄えて動画編集に活かしていきたいですね。