今回は、早送りや巻き戻し、コマ送りなど再生速度をいじる方法と時間制御について紹介します。
動画ファイル
再生位置
まずはサンプル動画としてSceneで図形を動かしたものを用意しました。
Rootに戻りシーンオブジェクトとして呼び出しました。
設定ダイアログの上部を見ると開始フレーム1と終了フレーム60と書かれています。このオブジェクトが全体で60フレームの動画だということがわかります。
再生位置を見てみます。通常は最初から再生されるので再生位置は1となっています。
再生位置を31としてみました。
このように動画の途中、31フレーム目から再生されます。動画の途中から始まるので、オブジェクトの長さが短くなります。
再生位置の設定を変えただけだとオブジェクトの長さはそのままですが、オブジェクトのおしりを引っ張ると正しい長さに変わります。
再生速度
続いては再生速度です。再生速度は100以上にすると早送りになり、100以下になるとスロー再生になります。再生速度にマイナス値をとると逆再生になります。
トラックバーでは-800から800まで設定できますが、直接入力や数値上をドラッグすると-2000から2000まで設定することができます。
再生速度200で2倍速。
再生速度50でスロー再生。
再生速度-100で逆再生。
音声ファイルのある動画では再生速度を変えると動画ファイルだけが伸び縮みするので、それに合わせて音声ファイルの長さを調節します。
動画ファイルと一緒になっている音声ファイルは、デフォルトで動画ファイルと連携にチェックが入っています。
音声ファイル単体で再生位置や再生速度をいじる場合は、動画ファイルと連携のチェックを外し、参照ファイルから動画のファイルを指定します。
これで再生位置や再生速度をいじることができるようになります。
ループ再生
ループ再生にチェックを入れると全体を繰り返し再生することができ、オブジェクトの長さを自由に伸ばすことができます。
時間制御
ここからは時間制御の使い方を見ていきたいと思います。メディアオブジェクトの追加→時間制御で時間制御を出します。
時間制御は自分よりも下の位置にあるオブジェクトが対象です。ここではScene 1(シーン)が時間制御の対象で、背景(図形)は対象外になります。
時間制御の対象を限定したい場合は、右下にある対象レイヤー数で部分的に指定することができます。グループ制御のようにオブジェクトをグループ化しても対象を限定できないので、そこは要注意ですね。
位置は時間制御の対象部分を100%で表示します。
たとえば、位置を50から100へ移動させると半分のところから最後まで表示します。再生位置のところと同じような感じですね。
位置を100から0へ移動させることで逆再生になります。複数オブジェクトで構成されたテキストアニメーションなどを逆再生にしてループするときによく使っています。
位置の移動にはイージング等も適用できますが、マイナス値になったり100を超えるような動きにはなりません。
繰り返しを設定すると時間制御の対象部分をループ再生します。オブジェクトの長さが変わらずにループするので必然的に再生速度が速くなりますね。
コマ落ちを設定するとその分のフレーム数を落とすのでカクカクっとした動きをさせることができます。
応用と使用例
よく、時間制御を適用した部分だけ逆再生にしたり早送りにしたりできたらいいなと思うのですが、そうは上手くいきません。
倍速でもスロー再生でも再生速度を変えるとオブジェクト自体の長さが変わってしまいます。部分的に動画を倍速やスロー再生する場合は、
1.再生速度を変えたい部分を特定して分割する
2.再生速度を調節する
3.空いた隙間、または伸びた分に合わせて後続のオブジェクトを繋げる
といった工夫が必要になります。
こちらは画像を並べたものに時間制御をかけました。繰り返しを設定することでオブジェクトの長さはそのままに早送りができます。
こんな感じになります。
ここからさらに素材として背景にしてみたり、テキストのかたちでマスクしてみたりといった利用もできますね。
こちらは通常の編集。コマ落ちのために少し速めに作っていますが。
コマ落ちを3に設定したもの。通常とは違った雰囲気になると思います。特にイーズアウトで登場する場面ではコマ落ちならではの動きが出せますね。
カウンターのように常に動き続けて止められないような動画も時間制御で停止できます。カウントを再開する場合だと分割しなければなりませんが。
位置を0から0にすることで時間制御の対象部分が最初のフレームで停止し続けます。
いかがだったでしょうか。
個人的には再生速度をいじりたいときは動画ファイル単体かSceneオブジェクトを利用し、単純な逆再生やコマ落ちには時間制御を利用するといった使い分けをしています。
時間制御だとオブジェクトの長さが変えられないので前後のシーンの繋ぎが難しくなりますね。
再生速度と時間制御、機会があれば是非試してみてください。