AviUtlで作るフィルム演出、ライン*(R)

2019年2月20日

今回は、rikkyさんのライン*(R)をフィルム演出を例に紹介したいと思います。素材となるフィルム画像や動画は前もって作成しておくとスムーズにできます。

rikkymoduleの導入が必要なので、未導入の方はこれを機に導入してみてください。

[Aviutl]ライン*(R)スクリプト (リボンスクリプト)

素材は前もって用意

今回用意した画像です。任意のフォルダの中に連番にして置いておきます。画像や動画が繋がらない場合はファイル名が途切れたりしていることがあるので、そのときにはまずここを確認してみてください。

図形にライン*(R)

ライン*(R)はカメラ制御を前提に使用します。カメラ制御を出し、オブジェクトをカメラ制御の対象にしておきます。

図形にライン*(R)をかけます。パターン化、アンカー化、軌跡ラインの三つをかけますが、軌跡ラインは必ず一番下にくるようにしてください。

軌跡ラインの設定

軌跡ラインの設定では、オブジェクトイメージにチェックを入れます。パラメータ設定の先端図形にimageと入力し、始端と終端を0にします。サイズは後で調節するのでとりあえず200としました。

パターン化の設定

続いてパターン化の設定です。パラメータ設定の$画像フォルダのボタンを押すとウィンドウが現れます。そこから前もって用意していた画像や動画が格納されているフォルダを指定します。

このとき$画像フォルダがボタンとして機能していない場合は、rikkymoduleが導入されていない可能性があるので確認してください。

枚数では表示させたいだけの数を指定します。

うまくいっていれば、素材の画像や動画が表示されます。

アンカー化の設定

アンカー化の設定は最も重要な設定です。Z軸座標を扱う3Dの空間では手動でアンカーを適切に配置することは困難です。posの欄では各座標を{}で囲います。

{-600,0,0,0,0,0,600,0,0}

{アンカー1のX座標、Y座標、Z座標、アンカー2のX座標、Y座標、Z座標、アンカー3のX座標、Y座標、Z座標}となっています。

このように横一直線に画像や動画が並びます。表示のための設定は以上です。ここからは動きの設定を見ていきます。

動かしてみる

軌跡ラインの前後の展開度を移動させることで線を引いたり消したりの動きができます。

パターン化のずらし量を移動させると画像の位置だけがスライドします。以上が基本的な二つの動きです。

アンカーの位置と回転

アンカーが三つで中央が少し凹んだ形の配置です。
{-600,0,0,0,0,100,600,0,0}

フィルム演出等でよく見るうねうねはアンカーを四つ使っています。
{-900,0,0,-300,0,200,300,0,-200,900,0,0}

始点と終点だけZ座標を0にして、それ以外はZ座標を200と-200を交互に設定するといくらでもうねうねを伸ばすことができます。

軸回転についてはオブジェクトのXYZ軸回転で設定します。カメラ制御でカメラを回してもいいですが、複数のオブジェクトを扱う場合はXYZ軸回転の方がやりやすいと思います。

これまでのおさらい

アンカーを八つ使ってうねうねさせたものです。これをずらし量と前後展開度を移動させてみます。

これが例となる動きです。

ポイントはずらし量を先に設定して、それからのちに前後展開度を設定します。というのも前後展開度の方では中間点をうちます。その際中間点が邪魔をしてずらし量が一定に動かないということが起きます。

わかりやすくこれを避けるためにもずらし量を先に設定することが肝腎です。

フィルム素材を作る

フィルム素材は本来画像編集ソフトで作るのが望ましいですが、AviUtlだけでもできないことはありません。手間がかかりますが。

素材作りは新しいプロジェクトファイルを作成してこれだけにします。

作業はSceneで行います。

角丸四角形を作れるスクリプトならなんでもOKです。ここでは白水さんのスクリプトを使用しています。そして、さつきさんの一方向に並べるをかけてオブジェクトを複製すれば角丸四角形が横に11個並んだものができます。

画面の上下に配置すればフィルム素材の準備が完了です。

Rootもしくは別のSceneにて黒背景にマスクをかけます。マスクの種類は先程のSceneを選択します。マスクの反転にチェックを入れ、サイズを画面サイズと一致させます。

上手くいっていれば画面は真っ黒です。その下にわかりやすい色の背景を置いて、帯の部分がその色に変わればちゃんと透過されている証拠です。

難しいのはフィルムの帯部分が透明になっているかどうかで、それさえできればあとは好きなようにカスタマイズして素材を作成します。

出来上がった素材はPNG出力というプラグインを利用してアルファ付きで出力します。動画の場合はRGBA出力です。

Auls PNG出力

今までの画像をフィルム素材に置き換えたもの。

使用例

アンカーが三つで中央が凹んだ形をベースにしています。登場と退場では、ずらし量と前後展開度を両方移動させています。

最後にフィルムノイズというフリー素材をかけています。こうしたノイズがあるだけでより雰囲気のある映像になりますね。

上手くいかないときに確認したいポイント

パターン化をかけて画像や動画を表示させる場合、素材フォルダには表示させたいオブジェクト以外は極力置かないようにしましょう。

L-SMASH Worksを入れている場合、入力プラグインの優先度によってはlwiファイルが作成されてしまい、パターン化をかけた際に二重に表示されることがあります。

L-SMASH Works File Readerの優先度を下げて様子を見るか、もしくはMr-OjiiさんのL-SMASH Worksを利用してみてください。
Mr-Ojii/L-SMASH-Works-Auto-Builds/releases

AviUtl、今すぐ入れたい拡張編集RAMプレビュー

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seguimiii.com

いかがだったでしょうか。
カメラ制御を使った編集は重くなりがちなので、ramプレビュー必須ですね。ライン*(R)を使ったフィルム演出、機会があれば是非試してみてください。

[Aviutl]ライン*(R)スクリプト (リボンスクリプト)

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