AviUtlで静止画の髪の毛を揺らす、風揺れスクリプト

今回は、静止画MADでよく使われるキャラを動かしてアニメーションのように見せる方法、特に髪の毛の揺れを作ってみたいと思います。使用するのはティムさんの風揺れスクリプトです。

【AviUtl】 風揺れ スクリプト

下準備

まずは下準備から。髪を揺らす動きはこの下準備が作業の大半です。ここを綺麗にできるかどうかがクオリティを左右します。

揺らしたい髪の毛をパーツ分けして切り抜きます。今回は左、中央、右と三つのパーツに分けてみました。

髪の毛のパーツは画像全体のサイズではなく、髪の毛の領域だけにトリミングします。上の画像のような状態だと風揺れが上手くかからないことがあったり、非常に重くなって編集効率も落ちてしまいます。

不要な領域をカットした髪の毛のパーツだけにするのがポイントです。

髪の毛のパーツ分けのあとは元画像の髪の毛で隠れている部分を塗る作業です。

おでこや顔の輪郭など髪の毛に隠れていた部分が髪を揺らすことで見えるようになります。このとき不自然にならないように肌を塗ったり、必要な部分を描き足します。

ここまでの下準備が上手くいけば、あとは風揺れスクリプトに任せるだけです。

風揺れT

髪の毛のパーツに風揺れTをかけます。デフォルトの動き。デフォルトは結構大きく揺れますね。

ちなみに、画像に直接かけるよりメディアオブジェクトで出す方が作業がしやすいです。ひとつだけ設定してあとはCtrl+Dで複製するだけで他の髪の毛のパーツに適用することができます。

揺れ角の設定。揺れ角を大きくするほど髪の毛は大きく揺れます。

こんな感じ。

揺れ周期は1往復するのにかかる時間(秒)です。揺れ周期2.0なら行って帰ってに2秒かかるということです。

こんな感じ。周期4.0が一往復する間に周期2.0は二往復していますね。

揺れズレは髪の毛の柔らかさを調節します。揺れズレ0だと一本の棒のように揺れます。揺れズレを大きく設定すると髪の毛がふにゃふにゃになります。

こんな感じ。

センターは髪の毛の初期位置を調整します。センターをいじるときは揺れ角、周期、ズレがない状態で調整すると良いと思います。

その他の設定

パラメータ設定の上下固定長%では揺れの影響を受けない部分を設定することができます。髪の毛の上10%を固定、下10%を固定といった感じですね。

違和感なく揺らすには髪の毛の上の部分はある程度固定して揺らさない方が綺麗に見えると思います。下の部分は0%にすると毛先まで揺れるようになります。下部分はお好みで。

時間ずれを設定すると同じ揺れの設定でも少しずつ違いを出すことができます。

髪の向き

風揺れスクリプトは縦に伸びる髪の毛に対してかけると綺麗に揺らすことができます。

一方、横になびく髪の毛に対してはそのままだと上手く揺らせません。この場合は、一度縦方向に回転させてから保存し、AviUtlの回転で元に戻すというひと手間が増えます。

使用例

髪の毛のパーツを揺らすことで動きを出し、いきいきとしたキャラを表現することができます。揺れ角は3程度で大きく揺らしすぎないのがコツです。

いかがだったでしょうか。
髪を揺らす演出はパーツの切り抜きと描き足しの下準備をすることが重要ですね。風揺れスクリプトで髪の毛揺らし、機会があれば是非試してみてください。