
今回は、画像の切り抜きを紹介したいと思います。
切り抜きとは


切り抜きとは、動画の素材として扱うために、画像から背景などの余計な部分を削除したものをいいます。
切り抜きをすることで、背景透過素材として動画で使用することができます。
画像編集ソフトで切り抜き

切り抜きは画像編集ソフトで行います。
フリーソフトで有名なのはGIMPではないでしょうか。
AdobeならPhotoshopです。
ここでは、GIMPを使用して説明していきます。
GIMP

切り抜きを始める前にやることがあります。
それはアルファチャンネルの追加です。
[レイヤー]→[透明部分]→アルファチャンネルの追加をクリックします。
アルファチャンネルの追加は後からでもできますが、一番最初に設定しておくとトラブルが少なくなります。
切り抜きツール


切り抜きをするツールはいくつかあります。
最もポピュラーなのがパスと呼ばれるものです。
パスの特徴は、ハンドルを操作して曲線を作り出せることです。
ベジエ曲線といいます。
また、切り抜いた輪郭もきれいです。


二つ目のツールは自由選択です。
パスと同じようにポチポチ押していくのですが、こちらは間隔がすべて直線です。
ドラッグすることで自由な形に選択範囲を変形できます。
ただ、ポイントの打ち直しができません。


三つ目のツールは、ファジー選択です。
ファジー選択はパスに比べ簡単に範囲を選択できますが、ご覧の通りそのままでは境界線が汚いです。
背景と切り抜きたい部分の境目がはっきりとした場合に有効です。

切り抜きより特定の範囲の色を変えたりするときに使うと便利です。
切り抜きのコツ


元画像の大きさにもよりますが、正確にポイントを打つために画像を拡大します。
だいたい300~400%、細かい部分だと800%にすることもあります。


切り抜きはそのままだと境界線がはっきりとしすぎて、合成する際に浮いてしまいがちです。
パスを選択範囲にした際に、選択範囲の境界線をぼかすと背景などとなじみやすくなります。
このひと手間は切り抜きには欠かせません。

切り抜きは拡大して行うため、切り抜く場所が迷子になることがあります。
複数の線が交差する場所は、事前に確認しておきます。
また、輪郭以外の切り抜かなければならない場所も確認しておきます。
髪の毛の間など切り抜き忘れが起きやすいです。
切り抜き素材

切り抜いた画像は透過素材なので、自由に背景を変えたり、画像の後ろにオブジェクトを置いたりできます。
動画の切り抜き

歩いている人物だけを切り抜いてみます。


動画の切り抜きは、連番BMP出力を使います。
出力した連番のうち、変化のある画像を切り抜いていきます。
アニメーションでは2fずつ動くものが多いです。
その場合だと一枚置きに切り抜くことになります。
切り抜いた動画は連番にリネームすると、連番読み込みができるので便利です。
タイミングが不規則なものは連番読み込みが使えないので、一枚ずつオブジェクトを置いていくことになります。
動画編集に役立つ拡張プラグイン
連番読み込みで、手描きアニメーション
アルファチャンネルを活用した動画編集

できあがり。
いかがだったでしょうか。
MAD作りにおいて切り抜きは必須のテクニックだと思います。
是非覚えておいてください。