AviUtl、図形を使ったトンネルトランジション

今回は、図形を使ったトンネルトランジション(ズームトランジション)のようなシーンチェンジを作ってみたので紹介したいと思います。

UndoFishさんのイージングスクリプトがあると動きに緩急をつけることができるので、未導入の方は是非これを機に導入してみてください。

※このシーンチェンジは作っている動画サイズによって図形のサイズや座標が変わってくるので、記事内容を参考に調節してみてください。

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環境

これから作る動画は500×500のサイズで編集しています。

素材はSceneで作ります。シーンの設定からアルファチャンネルありにチェックを入れておきます。

中心と座標

まず背景を出します。

続けてもうひとつ背景を出します。色を変えておくと区別がつきやすいです。

濃いグレーの背景を拡張描画にして、中心を右上に据えます。

サイズ500の背景の各座標です。

Ctlr+Dでオブジェクトを複製して、今度は左下に中心を据えます。画像のように画面が4分割されたような状態になります。

新たに四角形を出します。こちらもわかりやすいように色を変えておきます。

画面を覆うまで四角形のサイズを大きくします。作っている動画サイズによって画面を覆う四角形のサイズは違ってきます。ここでは500です。

中間点を二つ打ちます。

前半の部分を選択して、拡大率の移動方法を直線移動にします。

拡大率の値を0→0と設定すれば、0→0の停止区間、0→100の移動区間、100→100の停止区間に分けることができます。

こんな動きになります。この四角形は最終的にマスクで切り取られる部分になります。

続いては四角形の角に合わせるように濃いグレーの背景を座標移動させます。

左下の背景はそのまま画面の左下へ。

四角形の中間点に合わせて濃いグレーの背景にも中間点を打っておき、最後の部分を選択して座標を直線移動でX-250,Y250→X-250,Y250と設定します。

もうひとつの濃いグレーの背景は画面の右上角に移動するようにX250,Y-250→X250,Y-250と設定します。

このように四角形の動きに合わせてグレーの背景も動かします。このときそれぞれの角がぴったりくっついていることがポイントです。

フレームバッファにマスク

四角形のレイヤーをオフにしてフレームバッファを出します。同じように中間点も打っておきます。

フレームバッファをクリアにチェックを入れます。

マスクをかけ、マスクの種類を四角形にしてマスクの反転にチェックを入れます。そしてマスクのサイズを先ほど画面を覆うように大きくした四角形と同じ値にします。500ですね。

フレームバッファの前半部分を選択し、サイズを直線移動で0→0にします。

先ほどまで四角形だった部分がマスクで切り取られた状態になります。

最後に時間制御で緩急を付けます。位置の移動方法をイージングの24番に設定しました。時間制御は後ろの中間点より1、2フレーム伸ばしておくと良いと思います。

これで素材の出来上がりです。

Rootに呼び出して時間差で並べれば、トンネルトランジションの完成です。お好みで図形の色を変えてください。それぞれ異なる配色をする場合は、配色毎にSceneを変えたり、色調補正の色相を変えたり、特定色域変換などで対応します。

別パターン

別パターンでは合わせる角の位置を変えます。左下の背景は四角形の右下に、右上の背景は四角形の左上に合わせます。

合わせる角を変えたことで、それぞれ座標移動の場所も変わります。

こんな感じ。

あとは先ほどと同じように、四角形のレイヤーをオフにしてフレームバッファを出し、マスクで切り抜きます。時間制御を出してイージングで緩急をつければ出来上がり。

応用

応用では回転をかけてみます。ここでのポイントは、回転をかけると画面を覆う四角形のサイズが足りなくなること、四角形のサイズによって背景の座標移動の位置が変わることなどがあります。

Z軸回転を0→-45へと直線移動させると、四角形のサイズは500では足りません。720と画面を覆うまで大きくしました。

四角形のサイズを大きくすると各角の座標が変わります。濃いグレーの背景をそれぞれの座標へ移動させます。

回転はグループ制御で行います。グループ制御と三つの背景をグループ化するか、対象レイヤー数を3にします。

このとき、一番下にある薄いグレーの背景がサイズ不足で隙間が空くと思います。拡大率を大きくしたり、領域拡張等で対処します。

フレームバッファにかけたマスクの回転をグループ制御のZ軸回転と合わせます。0→-45でしたね。フレームバッファがグループ制御の対象になっているとずれてしまうので注意が必要です。

回転有りのトンネルトランジション素材が出来上がり。

使用例

トンネルトランジションの素材を時間差で重ねて、出口で次のシーンへといった感じで使えると思います。

いかがだったでしょうか。
四角形の動きに合わせて背景の座標を動かす。それぞれの角がぴったりくっついている。ここがポイントですね。動きの緩急は時間制御で行ったりといろんなテクニックが混ざっているので、機会があれば是非試してみてください。